受験戦争や就職活動。
わたしたちはいろいろな場面で競わされてきたけれど、この「保活」ほどバカらしい競争はないと思っています。
女性が子供を産んで育てる、一方で、仕事をして社会の一員として責任を果たす。
国や周りからはその両方を求められているのに、そのために必要な「保育園」を確保するために、「情報戦だ」なんだといって他人を蹴落としてまで、本当はずっと手元に置いておきたいかわいいわが子を預けるために血眼になる・・・。
そして、そんなことをしている間に、どんどん短くなっていく貴重な育休・・。むなしすぎる。。
自己実現のために行う受験や就活とは本質的に違って、なんのため、誰のためにこんなことやっているのか、わからなくなるのも当然です。
そんな脱力感満載のシステムを早々にどうにかしなければいけないのは大前提。
ただ、現時点でこんな状況になっていることも事実・・。保活を少しでも気楽に乗り切るために、保活中に感じる「保活不安」の正体と、その解決策について考えてみました。
第一子の場合、妊娠・出産して初めて「保活」について調べたり考えたりし始めます。
いくら保育園問題について世間で騒がれていても、当事者にならないとなかなか具体的には行動しないですよね。
役所に行けば「うちの区も厳しくて、保育園に入れる、入れないはなんともいえないんですよね~」と、そりゃそうだろうけど・・ということしか言ってもらえず、認可について点数を足しあげてみれば、多くのライバルたちと同点であることは目に見えているので、「天に運を任せる」状態。文京区で言えば、認証が少なすぎて「ウェイティング200人ですね~」のところにとりあえず見学を入れてみるしかなく、認可外の見学に行けば「可能性は少ないですが、いちおう、パンフレットです」と申込金10万円とかのチラシを渡され、最悪ベビーシッターか・・と一日の費用を計算してみて絶望感に浸る・・。
なんというか、保活を始めた瞬間から、すでに「詰んでる」感じがするのです。
そして初めて「えっ!どうすりゃいいの!!??」と、復帰は迫るが預け先がない、という漠然とした不安に日がな一日おびえることになるのです。
戦略と戦術無きまま、戦いを始めざるを得ないのも保活不安の一因だと考えます。
費用、家からの距離、園の雰囲気、認可/認証/認可外・・・、様々な選択肢がある中で、どういう戦略と戦術で保育園を探すのか・・。ここを見極めるまでに時間がかかってしまい、本来打つべき手が後手後手になるという悪循環。
つまり、
Aさん「うちは所得に余裕があるけど、認可の点数では横並びなので、認可は受かればラッキーくらいに考えて、認可外を本命に考えよ」
Bさん「うちは所得に余裕がないので、なんとか認可に入れたい。でも点数は横並びなので、点数UPのために育休を早く切り上げるなどの対策を検討しよう」
など、「ゴールを定めて、そこに近づくために考えて行動する」ことをすれば、次に何をすべきかが明確になり、行動の指針が見えてきます。
しかし、この目標設定がきわめてやりにくい現状を作り出しているのが「自治体によって、状況や基準がすべてバラバラ」・・・で、参考となるノウハウが統一化されていないということだと思います。
例えば、「認可は絶望的でも、認可外の数は多いのですんなり入れる」という自治体もあれば「認可を増やしているので、認証/認可外が極端に少ない」という区もある。さらに認可の点数設定もバラバラなうえ、加点の項目も統一されていない・・。
これでは「区役所に尋ねる」「近所のママ友と情報交換する」といったアナログな方法でしか情報収集できず、たまたまいい情報に当たればラッキー、そうでなければ「はい、残念でした」ということになる。
家庭の状況(千差万別)×住んでいる自治体の状況(各自治体バラバラ+アナログな情報収集)
という掛け算をしてみて、そこからベストなゴールを設定し、ゴールに向かって可能な限りの活動をする。
まずは自分の取り巻く環境を整理して、フレームを作ってみることから始めなければいけないのです。