5歳になる上の子は、甲斐甲斐しく下の子のお世話をし、毎日嬉しそうにしている。
赤ちゃんが泣いて、
ごはんのときにテーブルにひとりでつくことになっても、
おやすみ前のルーティーンの絵本が読めなくても、
それなりに不満そうな顔はするが表立って文句を言うことはない。
ただ、最近やたらと、折り紙でおった手紙を渡してくる。
中の手紙にはかならず
「おかあさんだいすき。こんどでえとにいきませんか」「もものパふぇをたべませんか」(なぜか「パ」だけ毎回カタカナなのだ)
と書いてある。
上の子は寂しさこそ顔に出さないが、
おかあさんを独占して「でえと」に行きたいのだ。
ある日、夫に少しだけ赤ちゃんを預けて、
上の子との「でえと」を決行した。
ご要望の「もも」の「パふぇ」を食べに、30分だけ、デニーズへ。
こどもはもものパフェを頬張りながら「うーん!」だの「さいこー!」だの言いながら幸せそうな顔をした。
そして、レジでもらった100円引きクーポン券を大事そうにしまい
また、でえとしようね。とゆびきりげんまんした。
はてなインターネット文学賞
「記憶に残っている、あの日」