ある休日、図書館の読み聞かせに参加してきました。
みすゞも松本春野さんも文京区にご縁のある方々で、詩の絵本が誕生した背景にも文京区の図書館が関わっているとのこと。
優しいタッチのイラスト、なにか見覚えがあるなぁ、と思っていたら
実はいわさきちひろさんの絵は、すてきなんだけどちょっと苦手、というか淡すぎるイラストが「死」を連想させて少しばかり恐れを感じてしまうのですが、
松本春野さんのイラストは、淡い優しさを持ち合わせつつ、現代っぽいというか、受け入れやすいタッチで書かれているので一目で気に入ってしまいました!
さて、最近の5歳児。
ひらがながスラスラ読めるようになり、絵本の朗読もできるようになりました。
また、読んだいて心地いいリズムの「詩」をみつけると、わたしと5歳児、ふたりで声に出して朗読することもあり、
読んだ後はふたりでアレやコレや感想を言い合うこともあります。
金子みすゞの詩は、みなさんご存知の代表作からもわかるように、声に出し、リズムをつけ読み上げることで、とても心地よい気分になる詩が多いです。
みすゞの詩の内容はどこか物哀しく「静」を感じさせるのですが、
生き生きとした松本春野さんの「動」を感じる絵により、なぜか哀しみが昇華してしまうのです。
「もしもわたしがおはななら」に収録されている「おおきなもじ」は
「おてらの いちょうの おおふでで」
というフレーズからはじまる秋の歌(詩)です。
我が家の近所にも大きないちょうの樹があるお寺があり、グッと詩の世界が身近になります。
ちょうどもうすぐお寺のお庭に真っ黄色な絨毯が敷き詰められます。
みすゞの詩は素晴らしくて、100年も前に生きた作家ですが、
「わかるわかる、こどもってこう言う目線だよねー!」と思わず共感してしまう詩も多数です。
教科書などでは知っていても、
春野さんのイラストと一緒にあらためて声に出して読むと、また違った楽しみを感じられる絵本です。